【奏】雪に願う事

気持ちが

ドキドキしたり


ワクワクしたり


キュンってなったり…


バレンタインの事を考えながら
毎日を過ごした。



バレンタインまであと3日。




いつものように泰生先輩を
待ち伏せしてたら
聞こえてきた会話。




「泰生っ!!!
合コンあるんだけど行かね?」




えっ…?!


合コン?!


行って欲しくないよ…。



「女子大生だぜ~」



たぶん泰生先輩以外に
2~3人いるのかな…。




……お願い…


…行かないで…。





「あぁ

面倒くさいから
俺、そういうのパス」


両手を重ねてた力を緩め
ホッとして
体から力が抜けた。


きっと…今、私ニヤけてる。



「何だよ~
付き合い悪いなぁ」



「泰生には
可愛い後輩がいるんだよ」


「航也!!!
そうんなんじゃねぇよ」



航也先輩もいるんだ…。



「あぁいつも来てる
小っこい可愛い後輩だろ?
付き合ってんのか?」



「だからそんなんじゃねぇって」


不機嫌そうな泰生先輩の声が
聞こえてくる。



「でも、あの子に
まとわりつかれてる所為で
泰生って
彼女出来ねぇんじゃね?」



「あはは
言えてる」



「あながちそうかもな」



泰生先輩…。



否定しないってわかってたけど

どこかで否定して欲しい

否定してくれる…そう思ってた。



そんな風に思う私が

間違ってるのわかってたけど…。



私…泰生先輩にとって

ただ邪魔なだけだったのかな?




視界が滲む。





「でもよ、
泰生はバレンタイン
確実にチョコ1つは貰えるな」



「羨ましいぜ」



「そんなんじゃねぇって
言ってんだろ」

不機嫌な声が聞こえる。



泰生先輩…。


チョコも迷惑なのかな…。



手作りなんて…尚更だよね…。