「いや、何でもねえ」


そう言って矢澤陽はあたしを抱きしめた


イキナリの行動でどうしたら良いのかわからず固まった




すると矢澤陽はあたしの頭に手を置き、優しく撫でた




「―――‥っ」



優しく撫でられているのにまたあの頭痛が襲ってくる


「や‥ざわ‥――」



今までにない頭痛で上手く喋れない


矢澤陽は遠くを見ている

きっと‥今のあたしの状況に気づいてる




「‥‥‥っあ‥」


激しい頭痛に耐え切れずあたしはその場にしゃがみ込んだ





「やっぱりな‥」


上を見上げると矢澤陽は顔を歪ませていた




「ちょっと‥‥!」


突然聞こえた声に驚いて振り向くと凜子が血相を変えてこちらに向かってきていた




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