「なら、いいけど」 そう言ってそっぽを向いてあたしの頭に手をおいた ――――ズキッ‥‥ 痛っ‥ こんな時に痛くなるなんて でも、あたしは我慢した こんな所で座り込んだりしたら矢澤陽にも瀬凪にも、凜子にも、迷惑かけちゃう 「皆様、お待たせいたしました!これよりー‥‥」 急に暗くなったと思ったら司会者の声が会場全体に響いた 「どしたんだよ?また頭痛いのか?」 なかなか来ないあたしを心配して矢澤陽が振り向く 「大丈夫だよ、よくある事だから」 出来るだけ気づかれないように笑顔を振り撒いた .