それはまるで小さな子供をあやすように優しく包んでくれた




「大丈夫か??」

理由聞かないんだ



矢澤陽からは香水なのか
わからないけど凄く落ち着く匂いがした




どうしよ‥‥
震えが止まらない‥



今だにカタカタと震えるあたしの体





「大丈夫。俺がいるから」



と言ってあたしの頭をくしゃくしゃとかきたてた





なんか瀬凪に似てる?








「大分、落ち着いたな」




気づけばあたしの震えは止まっていた

瀬凪意外の男の人に触れられたのはあの日以来で

拒否しなかったことに驚いた



「ちょっとこっち来てくんね?」


あたしを掴んで引っ張っていく


お礼言わなきゃ‥




「ちょっとまって!」

「どした?」


心配そうに覗いてきた



「あ、ありがとう‥‥ね」



すると矢澤陽は心配そうな顔から
太陽みたいな暖かい笑顔になって




「んなことかよ、どういたしまして!」



と言ってまたあたしの頭をくしゃくしゃした



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