「その男の子よく僕のタクシーに乗ってねえ‥仲良くなっちゃって色々話したんだけど‥」



今年に入ってから一度も顔見ないなあ



タクシーの運転手は寂しそうに俯いた




「そうなんですか‥」


少し揺れる車にウトウトする



それでも運転手は話を続ける




「あの子が小学生くらい‥低学年かな?一回だけ女の子と来たことがあってね‥」




そうなんだ

あたしは眠くて半分話が聞こえてなくて




気付いたら意識を手放していた





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