「とーじ?」
「ん?どした?」
「今からボクが君を消すんだよ?怖くないの?」
「好きな奴と最後にいれたんだ。全然」
「ボクはとーじを消したくない」
「俺は二人も殺した殺人者だ。」
「君があの二人を殺さなかったらあの女の子は酷い目にあってた。」
「それでも犯してはならない事を犯した。罪は償わなきゃ」

冬至からボクを抱きしめてきた。
「それが菜綱、君の仕事だ!俺は君に再び会いたかった。会うだけでなくこうして遊ぶ事もできた。もう俺に心残りなんてあるわけがない。だから君は俺のように道を踏み外しちゃいけない」

ボクは両手に力を込める。

できればこんな事したくなかった。
「夢の如く」

冬至は笑顔だった。
「まどろみとして」

ボクは冬至の唇に自分のを合わせた。
「朝日に帰れ」

周りの遊園地も何もかも無くなった。

夢を見せる事がボクの力、幽霊が見える妹に対して、生きている人が見えない冬至にボクは夢を見せ続けた。

夢の中では冬至は何度か妹に会った。

それがボクには正しいのか分からない。

だけど成田冬至はボクの中で生き続ける。

だから、ボクは君にサヨナラは言わない。

ボクの夜が終った。