少女は絶叫してその場を離れた。
「おっ、おい!祐樹!ダメだ!死んでる」

オロオロとするチンピラの相方、バーカ!俺を不快にさせるからだ。

その怯えている男の頭も同じように俺は潰した。

俺は今神に近い存在になった。

これがロンか?それなら願っても無い。

俺は歩くのをやめ空に向かって飛び上がった。

いつもなら十分程かかる道のりを三十秒かからない時間で俺は公園に到着した。

そこには菜綱はいなかった。だが、俺はもっとも会いたくない人物がそこにいた。
「何しに来た?」
「言ったろう?お前を終わらせる。人を殺しただろ?あと一人殺せばお前はロンになる。そうなればもうお前を救えない。」

俺を消しに来た奴が俺を救う?ふざけるな!
「ユタロウ!お前がどれほどの者か知らないが今の俺を怒らせない方がいい!三人目はお前になるぞ!」

俺は想像した。

公園の木々の枝がユタロウに刺さる様子を、俺が合図すればそれは全ての死角からユタロウを襲うだろう。
「俺は二つの住人だ。出来損ないのロンには負けない!」

言ってくれるな。なら死ね!

俺の合図とともに枝はその鋭い先端の全てがユタロウを突き抜けるハズだった。

だが、その全てはユタロウの足元に力なくパラパラと落ち動かなくなった。
「嘘だろ!」