郁子がそこでは高校生になっていた。

俺の通っていた高校では無かった近くの県立高校だった。

友達と楽しそうにバスに乗っていた。

気がつくと郁子は食堂で友達と食事をしていた。

いつもと違い曖昧な夢だと思ったが、案外夢なんてこんなものなのかもしれない。

するとクラスの男子だろうか?

何やら郁子のグループに話しかけている。

郁子と郁子の親友らしき子を連れて行った。

こうしちゃおれん!夢の中とはいえ郁子のピンチだ。

食堂の上が体育館になっているのは俺の学校と似てると思った。

そこでその男子が何か言った。

郁子が顔を赤らめた所からすると愛の告白というやつであろうか?

下せん、俺の断りもなしになんという事を!

どうせ俺の夢だし一発思い知らせてやる。

俺は箒を持つとその男子に一発くれてやった。
「・・・・!」

何かを言うと面白いくらいにこけて地面で頭を打った。そして床に血が、
「うわぁぁぁ!!」

そこで俺は眼が覚めた。

気のせいだったかもしれない。

妹が、郁子が俺を鋭い目で睨みつけていた。

夢の中とはいえ人を傷つけるのは気が引ける。

今は夕方の四時くらいだろうか?

こんな時間から出かけるのは久しぶりだが、あと四日をきってる。

ユタロウには学生の遭遇率が高いとも聞くしこの時間でも問題ないだろう。

俺は玄関を出ると鍵をしてそのまま公園に向かった。
「やっぱいないか」