「蓮!」

「父さん?」

「今日は祝いがあるから、お前も盃に付き合えよ!」


――私は、元々お金持ちではありましたが父親は極道…つまりはヤクザの組長だったのでございます。

父は婿養子として淡岩の家にやってきました。
母と熱烈恋愛の末です。

勿論、淡岩家には大反対されましたが「出来なければ、家をでる!」と、勇敢にも立ち向かい見事許していただいたのでございます。


私は、この母を知っていたので、まぁ…浬津様に反対したのではありますが。

色々ありながらも、楽しく暮らしていた訳ではありましたが…
















「あぁん?そりゃあどういうこった」

「言ってる意味も解りませんか?これだからヤクザは…」

「くそったれが!!…蓮、部屋行ってろ」

「わかった」

「蓮くん待ってくれないか」


今日はいきなり東苑堂寺の家の筆頭執事らしい、磯島さんがやってきた。

磯島さんは、母の母(つまり、祖母)の知り合いらしい。
よって、幼き頃より母の面倒も見ていて下さっていたのでございます。


「何でまた、蓮なんだ。…類や将だっていんじゃねぇか」

私は、三人兄弟で上から、類→蓮→将となります。
類はこの時、15歳で高校1年生。私は14歳で中学2年生。将は小学5年生でした。