シャーーーッ!

「え!?」

「ハァハァ…よっ、ようこそ」

「あ、れ…?制服のまま…」

「待たせてるらしいから、急いできた!」


俺が息を整えながら話すと、彼女はあぁ、と納得したように話した。

「そんなに急がなくても良かったのに…」

「お客さんを余り、お待たせするわけにはいきません!!」


キッパリと言い放った俺に彼女は少し驚いた見たいだが、気にしてない…つか、俺自身もなんでこんなことしたんだかわかんない。

「…で、結果は」

「……やっぱり、ダメでした」

「…!」


目をふせめがちに言う彼女に、ツキン!と心が音を立てて痛んだ。


「あははっ、何でなのかな…」

「……」


泣きながら、無理矢理笑おうとする彼女が痛々しくて、俺の口は勝手に動いた。



「明日、夕方4時に南丘にこい」


「…?え」

「絶対だからな!絶対こいよ!」

「え、えぇ…」

「んじゃ、今日はもう終わり!」

「あ、お代…」

「占ってないからいらない!」

「…わかりました、では」


彼女は涙を拭って、不思議そうに首を傾げながら帰って行った。



「“はぁーっ、何であんなことしたんだ俺”」

「!?」

「って、顔ね。翡翠」

「…姉貴」

「アンタ、気付いてる?もしや無自覚?」

「…気付いてるっつーの」

「なら、いいんだけど」

「……」


そう、俺はこの短期間で芽生えた思いに気付いていた。