キーンコーンカーンコーン…


「ギッ…ギリギリセーフ……」

玄関から走ってきた為、麻津名も麻津裏も息を切らしていた。


「…じゃねーよ、優喜兄妹」

「あれっ?!鏡ちゃん」

「“鏡先生”だろ、優喜麻津名。また寝坊か?」

「はい、また麻津名の寝坊です」

「麻津裏が起こしてくんなかったんだもん!!」

「目覚まし時計壊したのが悪いんだろ?!」

「うっ…」

麻津裏に最もなことを言われて言い返せなかった麻津名。


「もうベル鳴ってから、いーから席つけ」

『はーい』


――――…この日、麻津名は不思議な夢を見ていた(授業中に)