次の日。

「ひっすーい!」

どしん。
と、背中を押された。


「いってーな!悟!!」

「にしし。昨日お前んとこに桜の友達行ったろ?」

「あっ!そーだ!桜に、“勝手に人の情報漏らすなバーカ!!”って言っといてくれ」

「…おけー」


落ち込んだように言う悟に、笑いが込み上げてきてつい笑ってしまった。

あの子が、あんなことになってるとも、俺は

知らずに――――。




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放課後。

「ただいまー」

「お帰り、翡翠」

「あれ、母ちゃんだ」

「あれって何よ、あれって」

「いや、最近姉ちゃんとばっかだったし」

「そうそう、アンタ相手にお客様着てるわよ」

「!セーラーだった?!」

「ううん、私服。…けど、学校どうしたのかしらねぇ。すっごく待ってるのよ。」

「……!」


俺は、母さんの言葉を聞いた途端、持ち場に走った。