麻津裏から時間を聞いた瞬間、ものスッゴい勢いで布団から這い起き上がり、高速で着替えを済ませ部屋を飛び出した麻津名。

「嫌だーーーっ!内申書悪くしたくないー!」

「だったら、毎朝きっちし起きればいいじゃん!!目覚まし壊したと同時にさ!」


そのあと直ぐに、追いついた麻津裏。

「じゃあ、もっと早く起こしにきてよ、麻津裏兄ちゃん!」

「何回も声かけたって!!起きなかったのお前だから!!」

「いやぁあう」

ゴシゴシ歯を磨きながら、返事をする麻津名。

すると、麻津名の部屋からスクールコートとスクバを持って麻津裏が出てきた。

「全部準備済ませたから!だからって忘れ物あっても俺のせいじゃないからな!!」

「はぁい…」

「食パンは口に加えてけ!!母さん、車出して!」

「準備OKよ!!」


食パンを口に加えながら、ローファーを履き車に乗り込む麻津名。

外では、

「あら。また麻津名ちゃん寝坊したのね」

「麻津裏くんも大変よねぇ」

「優喜さんとこの奥さん、あれで元レーサーでしょ?毎朝の急ぎの度に警察に帰り道捕まってるんでしょ?」

「…よく免停喰らわないわね」

「まえに一回免停喰らったときに、麻津名ちゃんと麻津裏くんが必死に頼んだらしいわ」

「確か、それ以来朝は仕方ないけど一旦警察来てください…なんでしょ?」

「…麻津名ちゃんの寝坊さえ直れば」

『優喜さんとこの奥さん、苦労しないのにね』


……と、噂されていた。