ピピピピピピピピ…


目覚ましの機械的な音が部屋に響く。

…が、次の瞬間。



―――ガシャンっ!!


目覚まし時計の持ち主に寄って、壊された。

現在時刻、AM7:00。



―――――――
――――――――…

「…なっ!ま……!」

何か声が聞こえる。


「麻津名ーーーーっ!!起きろーー!!」


バシバシバシバシ。
ゆっさゆっさゆっさゆっさ。


叩けば、揺らし。叩けば、揺らし。それを延々と繰り返す。

そして、目覚まし時計を壊した張本人は機嫌が悪そうに目を覚ます。


「ふぁーあ。…朝っぱらから煩いね、麻津裏兄ちゃん」

「“朝っぱらから煩いね”じゃないから!!マジで遅刻しそうだから!!」

「え?だっ…だって目覚まし鳴ってない…」


動揺したように、目覚まし時計を壊した張本人――もとい、優喜 麻津名が声を出す。

そのあと、間髪いれずに

「麻津名が壊したから、鳴らないんだっつーの!!!」

こう叫んだのが、双子の兄・優喜 麻津裏。


「……麻津裏兄ちゃん、今は何刻かしら?」

引き攣ったように、声を上擦らせしかも「何刻?」と口にした麻津名。


「…8:00だ!は・ち・じ!!」