ある都内のイタ飯屋。いわゆるオシャレなレストランで、日比野と理恵菜が食事をしている。

「それにしても…、君がデートに誘ってくれるとはなぁ。」

「デートじゃないわよ、相談よ。」

「はいはい。しかし警察も知ってるんだ、優太君は親族の家に戻した方がいい。」

「嫌よ。優太君も嫌がってるし、私も意地なんだから。」

「何の意地だよ…。」

 呆れたように溜め息してから、デザートのケーキを頬張る日比野。

「このまま事件は終わっていくのかしら?何だか…うやむやにして終わってしまうような…。」

「日本の警察もたいした事ないな。」

「そうね。…ふふ、心理カウンセラーさんの方が優秀かしら?」

「ん?どういう意味?」

「何でもないわよ。」

 手に持ったチェリーをぷらぷら揺らして遊んでいる理恵菜。

「久しぶりに飲みに行く?」

「お、いいねぇ。」

 揺らしていたチェリーが落ちて、皿に転がった。