『ん。少し歩こう・・』



手を握った。


握ったのはゆずからだった。


好きで


好きで


好きで


それなのに悲しい。


溢れ出している好きに罪悪感を感じた。


千と泉の距離が悲しい。


千の手を握って遠慮がちに見上げる。


千の目は遠くを見つめて穏やかだった。


その目をまた、愛しく感じる。


一緒にいてもいいのかなんて考えるのはやめよう。


だってこの目が、この手が、このぬくもりがこの世で一番愛しいのだから。