荒々しく落とされる口づけにゆずは抵抗できなかった。
言葉を聞かまいとしているような気がして、何かをねじ伏せているような気がして。
『千っさ・・ん?』
話を聞いてほしかった。
話を聞かせてほしかった。
けれど、無言の圧力にゆずはそれが出来ない。
荒々しく落とされるキスとは裏腹に頭を固定するためにまわされた手は優しい。
ゆずはそのまま千に身を委ねた。
突きつけられる言葉は鋭く、
触れる手は優しい。
どうしていいか分からなくなってしまった。
ただ、何をすればいいか。
何が出来るか考えれば
ゆずの脳裏には
千の傍にいること。
それしかなかった。

