けれど、泣かせたくて選んだわけじゃない。
どんなに辛いことがあっても、
それでもゆずが千の傍にいて笑っていられるのなら
見守っているつもりだった。
けれど、ゆずの頬に確実に残っている悲しみ。
傷つけるだけならば
そんな選択をするんじゃなかった。
千の中に眠っている愛情が必ずゆずを包み込んでくれると
信じていた泉は正直ショックだった。
『ゆずちゃんを守るのは・・僕ですね。』
泉はゆっくりゆずの額にキスを落とした。
愛しいという気持ちに正直になった泉は
色んなことを覚悟してゆずに触れたのだ。
まずは悲しみを取り除いてあげたい。
そして優しい愛を教えようと決めた。

