泉が駆けこんだ部屋。 目に入り込んできたのは 大きなベッドのしわくちゃなシーツの上に横たわるゆずの姿。 ゆっくりとゆずに近寄る泉。 『ゆずちゃん・・。』 たくさん泣いたことが分かる。 ゆずの頬には涙の跡が分かりやすく残っていたから。 毛布から出ている肩から鎖骨にかけては 痛々しくさえ見える無数の真紅の痕。 その痕をみた泉は自分の手を握りしめた。 爪が自分の皮膚に刺さっていることも気にせずに。 沸々と湧き上がる気持ち。 それは・・・ 嫉妬心だった。