狂愛~狂うほどに君を~




バサバサ


泉の耳元に届いた羽音。




『千・・?』




泉は眉をしかめる。


荒々しい羽音にいつもの千を感じられなかったからだ。




『千じゃないのか?・・いや、気配は千ですね・・。』




ガタタタタッ


ゆずが眠りについているはずの部屋から聞こえてきた物音。


きっと千がいるのだろう。


けれど嫌な予感がする。


何故急に帰ってきたのかも分からない。


泉はゆずの部屋へと急ぐ。


何故か冷や汗が出てきていた。