“会いたいなら会いに行けばいい”
千の頭に響く声。
『会ったら・・壊してしまう・・・。』
どこの誰かも分からない声に
千は返事を返していた。
“なら、壊せばいい。彼女を愛しているなら手放すなよ”
『大切にしたいんだよ。』
“彼女が他の男のモノになっても?他の男が彼女の柔肌に触れてもいいのか?”
『・・・・・・。』
“壊してしまえばいい。愛しているだけ。壊してしまえ・・”
『こわ・・・・・す?』
“壊してしまえば彼女が手に入る・・”
手に入れたい。
ゆずを自分のモノにしたい。
一気に湧き上がる気持ち。
千は夜空に羽ばたいた。

