狂愛~狂うほどに君を~



ゆずはほとんど毎日同じ夢をみる。



千の夢を。



遠くから泉とゆずが一緒にいる場面をみている千。



ゆずはそれに気付かない。



そして千が瞳を閉じて踵をかえすと



ゆずはやっとその存在に気づくのだ。



そして千を追って駆け出す。



けれど千はそれに気付かない。



どんなに叫んでも



どんなに手を伸ばしても



千は振り向かない。



ひどく辛い夢だ。



会いたくて仕方がないのに・・・。



それなのに、もう二度と会えなくなってしまうような



そんな夢。



だからゆずはいつも焦ってしまう。



この夢をみるたびに



早く会わなければいけないと思う。



なのに



思った通りにはいかない。



とてももどかしい思いをするのだ。