『会いたいなぁ・・。』
ゆずが何も考えずにいると口から出てくる言葉はそれで
それは余計にその気持ちを強くさせる。
会いたい。
会って伝えたいことがある。
けれど、それを泉の前では言うことが出来ない。
自分のためにこんなに良くしてくれている泉に
本当の気持ちなど話せるわけもなかった。
ゆずが少しでも寂しそうな表情をしたならばその日はずっと傍にいてくれる。
少しでも困ったことがあったのならばすぐに飛んでくる。
悲しくて苦しくなったときはひたすらに頭を撫でてくれる泉。
そんな泉の前で弱音などこれ以上言えるわけがなかった。
千に会いたい・・。
それは泉がどんなに叶えてあげたくても叶えられない望みなのだ。

