『へっ!?』 思わずゆずの口からは驚きの声がもれる。 そんなことにもかまわず千の指先はゆずの唇をなぞる。 『…。』 ゆずの唇が震えた。 その瞬間、千は手をひいた。 『悪い、怖がらせたな。』 そう謝る千をみたゆずは思った。 もしかして…傷つけてしまったのかな。 どうしよう。 すごく切ない表情してた。 私、怖かったわけじゃない。 少しびっくりしただけ…。 怖くなんかないよ。 怖いわけない…。 あんなに優しく微笑む人なんだもん。