『食べろ。』 千はスープを手に戻ってきた。 ゆずのやつれ方で数日は食べていないのだとわかった。 『ありがとうございます…。』 あたたかそうなスープを見てゆずは思わず手を伸ばした。 『おいしい…。』 一口食べるととびきりの笑顔をみせた。 千はその笑顔に胸の中の何かが動いたのがわかった。 だが、さりげなく胸を握りしめても何が動いたのかわからなかった。