ゆずに触れる手はだんだんと荒々しくなっていく。
ゆずの纏っていたはずの衣服はベッドの下で散乱している。
『んあっ・・・千、さん?』
千がゆずの鎖骨あたりに強く吸い付いたと同時、ゆずの目が覚めた。
『えと・・あの・・?』
ゆずが声をかけるも、千はそれに反応することなくゆずの体に触れ続ける。
『い、や・・・まってくださっい・・』
荒々しく触れる手は、的確にゆずの良い部分を探り当てていて。
目も合わせてくれず、声に反応も示してくれず、ただ体に触れ続ける千にゆずは戸惑う。
心は不安を煽られているのに、体はだんだんと熱を帯びていく。
『お願い・・顔をみせてくださっ・・んんぅ』
ゆずの言葉を遮るように千はゆずの口を自分のそれで塞ぐ。
うっすらと赤づいているゆずの頬が愛しくて。
不安なくせに頑張って受け入れてくれようとしている姿が健気で。
壊したいのに、壊したくない。
愛しいのに、何故か少し憎い。
理性を失っていたはずだったのに、千はそんな感情を抱いた。
『千さっん・・・』
欲望のままに壊してしまえたら、
欲望のままに手に入れてしまえたら、
ずっと傍にいられる。
けれど、こんなに醜い自分の感情ごと受け入れようとしている目の前のゆずを
どうしても、無理矢理に手折ることは出来ない。
『千、さん』
千に理性を取り戻させたのは、ゆずの温もりだった。
強引なキスを受け入れながらも、千を宥めるように何度も千の頭を撫でたゆず。
『すまなかった・・・。俺はまたお前を・・』
同じ過ちを、犯すところだった。
『大丈夫です・・・。いつもの千さんですから』
ゆずはそう言って千の心を包み込むように抱きしめた。

