もう二度と、堕ちるわけにはいかない。
無理矢理にゆずを手折るわけにはいかない。
それなのに、腕の中にいるゆずの存在は噎せ返りそうなほどの色香を放っているようにみえて仕方がなかった。
“何も分からなくなってしまえば、全て自分のモノだ。永遠にそばにおいておける”
湖にたどり着き、各々が休息のために空いている部屋へと散らばる。
リアムは泉が看るといってマクベスと共に泉専用の薬品等が揃う部屋へとつれていかれ、イアンはソファに伏した。
そして千は・・・ゆずを抱えて寝室へと入って行った。
『んぅ・・・』
ベッドにおろしたゆずが煽情的でたまらない。
“さぁ、自分だけのモノにしろ”
どうにか保っていた理性。
ゆずの声が引き金となりプツリと糸がきれてしまったかのように、千はゆずに手を伸ばした。
ゆずの柔らかな唇に自分のそれを重ね、ゆっくりと味わうように触れた。
首筋に手を這わせ、唇を少しずつ下へ。
『んっ・・・』
時折漏れるゆずの声がさらに千の心をかき乱す。
ゆずを、自分のモノにする。
壊してしまえば、自分のモノになるのだから・・・。
壊す。
壊す。
壊す。
愛しいからー・・壊す。

