握った光を胸元へとゆっくり押し当てると、ルリマツリのカタチをした光はゆずの胸へと溶け込んでいった。
熱い想いが流れ込んでくる。
リアム・・・。
私の守護霊、リアム・・・。
『リアムッ!!あなたは・・リアム。とっても可愛い、私の守護霊・・・』
ゆずはリアムの体をそっと抱き寄せた。
『んっ・・・』
リアムの瞼が僅かに動き、体に力が入るのが分かる。
ルイスの攻撃によっておってしまった傷は完全に消え去っていた。
『ゆ、ず・・・。ゆず!!無事だったんだね!!良かった』
『あなたのおかげだよ、リアム。あなたが守ってくれたから・・・』
『ボクはゆずが無事ならそれでいいんだ!』
目を覚ましたリアムの満面の笑みに、ゆずの胸が熱くなる。
どうして忘れることが出来たの?
ずっと傍にいてくれたのに。
リアムはずっと・・・私を守ってくれていたのに。
ごめんなさい、リアム。
あなたをたくさん傷つけてしまった。
それでもずっと傍にいてくれたんだね。
『ゆずがピンチの時はボクが助けたいんだ!だから、ゆずは笑っていてよ。はい、ゆず!』
リアムは一房のルリマツリをゆずに差し出した。
『ボクが一番好きなお花なんだよ、ルリマツリは!』
ゆずはそっとルリマツリを受け取って
『花言葉は・・・いつも明るい。リアムみたいなお花だね』
二人にしか分からない魔法の言葉を紡いだ。
『・・・リリィ!!』
『リアム!!』
固く抱きしめあった二人。
『記憶の欠片を、取り戻したようですね』
『そのようだな』
『リリィ様・・・』
『大丈夫ですよ、イアン。きっと君のこともゆずちゃんは思い出してくれます』
そんな二人の様子を見守る千と泉の口角があがっており、イアンは少ししょぼくれていた。

