狂愛~狂うほどに君を~




フッとルイスは口角をあげる。



『たかだか八本の毒針など、私にとってはないものと同じ!!』



一本、二本、三本・・・八本。


泉の放った毒針を身軽にかわしていくルイス。



『油断、しない方がいいですよ?』

『白蛇の泉ともあろうお方が負け惜しみですか・・・。愚かな・・何!?』



ザッ



ルイスの右腕を毒針の一本がかすめる。



『確実にかわしたはず・・!なのに、何故・・・』

『だから油断し過ぎだと言ったんですよ。僕の毒針は少し特殊でして、狙ったものをとらえるまで追いかけ続けるんですよ。だから、数はそう必要ないんです』



ルイスの周りを八本の毒針が包囲する。



『これが全てあなたに刺されば、あなたは指の先すら動けなくなるでしょうね。毒使いである僕のオリジナルの毒ですから』



目を細め、にこやかにルイスを見やる泉。


実力の差は明白だ。


ルイスの額に汗が伝う。



『確かに、あなた方は強い。けれど・・・上には上がいるものですよ』



泉は片手をルイスに向けて振り上げて、ぐっと握る。


八本の毒針がルイスに向けて飛び出す。



グサグサグサッ



『ぐっうううおおおおおおお!!!!!!!!』



ルイスはバタンとその場に倒れ伏した。