ポウッっとリアムのシークレットストーンが光を放ち、イアンの声が耳に入る。
『リアム、オレっちだ!!リリィ様は無事なのか!?』
『くっ・・・』
リアムは応戦するのに精いっぱいで返事をする余裕はまるでない。
しかし、ゆずに危険が迫っていることを知らせなければという思いから一瞬視線をゆずの方へと流しイアンにゆずの居場所を伝えた。
『リリィ様!?リリィ様!?』
音声で確認できるイアンの声でかなり取り乱しているのが分かるが、これ以上の戦い方が今はない。
安心させる戦いは出来そうにない。
でも連絡がとれたということはイアンやイアンと共に行動をしている千がこちらへ助太刀にくる可能性があるということだ。
無数の針を跳ね返しながら思うことは一つだけ。
僕に出来ることは、少しでも長く時間稼ぎをすること!!
けれど、魔力はすべてゆずに回してしまっている。
体もだんだん毒に蝕まれていく・・・リアムの限界はとっくに超えているのだ。
ゆずを包む魔力もだんだんと耐性がへってきている。
もって、あと五分。
グサッ
グサッ
『うああっ!!』
毒が体にまわり、動きが鈍くなったせいで針を体でうけとめてしまう量が増える。
意識もだんだん遠のいていく・・・。
『まだだ!ボクは倒れるわけにはいかないんだあああああ!!!!』
『最早気力だけで立ち上がっていますね?降参をするのなら、今すぐ攻撃はやめてさしげますよ』
『降参なんて・・しないよ!』
大切なゆずを、ご主人様を、渡してなんかたまるものか!!

