狂愛~狂うほどに君を~



『リアム、すごい・・・!!』



闘いを見守るゆず。


リアムが互角以上に戦っていることにホッと安心した。



刹那



『きゃあっ!!』



頭部に重い衝撃を受け、倒れていくゆず。



『ゆずっ!?』



ゆずの悲鳴を聴き、リアムが振り向けば地面に倒れ伏すゆずの姿があった。


前方のウミネコに気を取られ過ぎて、ゆずが・・・!


僕は、どうすればいいんだろう!


ゆずだけは守らなくちゃ!



『魔力はそこそこ強いようですが、まだまだ子供だね。全体が見えていない。そんなんじゃ守れはしないですよ』



赤い玉を創りだしていたウミネコがリアムを挑発する。



『これ以上、ゆずに手を出させないよ』



リアムがパチンと指をならす。


リアムを包んでいたはずの水色の光は失われ、代わりにゆずをさらに強い水色の光が包んだ。



『なるほど・・。丸腰で来ようってわけですね。魔力をすべて彼女に回すとは・・・。ナメられたものです』



ゆずを守るためには、こうするしかない。


たとえ、勝算がないとしても。