狂愛~狂うほどに君を~




『あ、リアム。あそこをみて?』



なんとなく元気のないリアムにどうしていいか分からず、景色を見渡したゆずはある一点を指さす。


ゆずとリアムがいる地点から少し離れたところに、青い点がいくつも見てとれた。



『雪のなかに、青いお花が咲いてるみたいに見える・・・』

『本当だ!ゆず、行ってみようよ!!』



リアムがゆずの手を引いて、はしゃぎだす。


こうしてリアムと手と手を取り合い、共に過ごしていると、とても暖かい気持ちになる。


心の奥がじんわりとあったまっていく。


やっぱり、リアムは大切な存在だったんだと思わずにはいられない。



『ふふ』

『ゆず、どうしたの?』

『ううん。リアムがすごく可愛く見えただけだよ』



ゆずのその言葉に、リアムの耳と尾がぴくぴく動いている。

・・・喜んでいるらしい。



『ゆずもすっごく可愛いよ!!』



リアムにとびきりの笑顔を向けられて、ゆずも自然と笑顔になった。