狂愛~狂うほどに君を~





『かくれんぼは終わりにしましょうか。君は隠れているつもりかもしれませんが、僕には居場所が分かっていますよ?』



中庭へと足を踏み入れ、庭の右端にそびえたつ桜の木の一点を見つめる泉。



『と、言いましても・・。初めから君の居場所は分かっていましたし、今も隠れられているわけではないんですけどね』

『あっれー!おかしいな、やっぱりバレてた??あは!』



泉の視線の先に、姿を透明にして隠していたイアンが姿を現す。


見つかったというのに、動揺もせずに落ち着いた様子である。


どうやらこうなることは予想の範囲内のようだ。



『僕は熱感知できますから、隠れることは無意味ですよ』

『さっすが~!白蛇の泉って感じだね♪』

『名前を知っていただけているとは、光栄ですね』



イアンが桜の木から飛び降り地面に着地し、泉へと視線を向ける。


そして泉の前へと右手を突き出し手のひらを目いっぱい開き右回りにひねる。



『これは・・・』



瞬間、泉とイアンがいたはずの中庭の景色がなくなり、真っ白な四角形の空間になった。



『あは!これがオレっちの能力なんだ~!オレっちしか創造できない空間に閉じ込めるの!白蛇の泉であっても、ここの空間に蛇を呼ぶことは不可能だよん♪』



イアンはご機嫌で泉の元へと歩み寄る。



『僕としたことが、油断してしまいましたね・・・。確かに、君の作った空間に僕の扱う蛇たちを呼び寄せることは出来ません』

『それに、この空間にいる者の魔力をオレっちったら奪うことが出来るんだ。ただ、あんたみたいに自分の力に還元することは出来ないんだけどね。相手を弱らせるにはもってこいの力でしょ?』



泉の魔力が徐々に失われて行き、泉は歯を食いしばる。


傍からみれば、完全にイアンが圧倒的に優勢。


イアン自身も勝ちを確信した。