狂愛~狂うほどに君を~




突如光る、ゆずの体。


金色の輝きがゆずの体内を巡りだす。



『まさか・・・ゆず、お前は』



光が収まれば、ゆずの苦悶の表情は消え去っていた。


その姿に感じた、一つの可能性。


まさかとは思いながらも、今の出来事を思えば答えなど解っているも同然なのだ。


ゆずが苦しみから解放されたことに安堵しつつも


その可能性に顔を顰める千の姿。



『私・・一体?』



ゆずは何が起きているのか、把握出来ない。


あまりの苦しみに、死を覚悟したのだ。


しかし、千と口づけを交わした瞬間・・・体が楽になっていくのを感じた。


そして今、何もなかったかのように体は回復している。


一体、自分に何が起きたのか。



『千さん?』



そして気づく。


千の浮かばれない表情に。



『ゆず、お前は・・』



千の右手が、ゆずの左頬を包む。



『天界の血を引いているのか―?』