体を交えることで、力を得ることが出来る悪魔として生まれた千と泉。


元々力の強かった千だが、ゆずとの交わりで今までとは比にならない程の魔力を手にしてしまった。


それは人間界にいる千の力が、別世界の魔界にまで伝わってしまうほどだった。


今までどんな女と交わりを持とうともそんな力が魔界にまで溢れ出すことはなく、


千が容易くコントロール出来る範囲の力しか得ることはなかったのだ。


感知能力の鋭いものならば、そろそろ気づいているなと思ってはいた。


だから、対して驚くこともない。


しかし、これは頂けない展開なのだ。


強大な魔力を得ようと、魔界からゆずを狙うものが現れる。


いくら千を狙ったところで千のことを討つことは出来ないだろう。


千の力は魔界ではトップクラスだし、泉も千に劣ってはいてもトップクラスの悪魔なのだから。


でも、ゆずは人間だ。


悪魔とは比べもにならないほど脆い存在だ。


いくら千と泉といえど、ゆずが死んでしまえば生き返らせることは不可能だ。