朝食を終えて、三人で向かった場所は
『私、一度きてみたかったんです!遊園地!』
家族連れ、カップルで賑わう遊園地だった。
三人に自然に視線が集まる。
長身の端正な顔立ちの男二人とあどけなさの残る美しい少女。
とても絵になっているのだ。
絵にはなっているのだが、遊園地等到底似合わない千。
違和感バリバリで、千にとってもそれほど居心地もよくないだろう。
しかし、それでも一緒にいてくれることにゆずは嬉しくなった。
『今日はとことん付き合います。どれから行きますか?』
泉の言葉にゆずは笑顔で園内マップを広げる。
『じゃあ!ジェットコースターからがいいです。えっと・・場所は・・』
『こっちだ、行くぞ』
ゆずが場所を確認していると千に腕を引かれた。
仏頂面ながらもゆずのことを思っている千の行動にゆずは終始笑顔。
そんな二人を視線で追う泉。
『これで、いいんですよ・・』
これでいい。
これで、良かったんだ。
ゆずが笑っている、これが正解のはず。
二人の後ろ姿をみて感じる痛みは、いつか消えてくれる。

