自宅へと帰ったあたしは
カバンを玄関に投げ捨てて
制服姿のまま
隣の家に上がり込んだ。
「おばちゃーん、お邪魔するね!」
見慣れたリビングに声を投げ、あたしは階段を駆け上がる。
そして
階段を上ってすぐ左にある扉に手を掛けると
「リナー、入るよー!」
ノックもせずに部屋へと入った。
「きゃあっ!」
だけど、どうやらお取り込み中だったらしい。
扉を開けたあたしの視界に飛び込んで来たのは、ドラマなんかでよく見るラブシーン。
「わわっ、ごごごめん!」
思わず後退りすると
リナは慌てて抱き合っていた男から離れた。
……パタン、と閉まる扉。
次いで聞こえたのは
リナの低い声と、冷たい視線。
「もー、最悪。」
「ごめんってばー!だってまさか、男の人が居るなんて、」
「まさかじゃないでしょ!いつもノックはしてって言ってるじゃん!」
はぁ、とドデカイ溜め息をつきリナはベッドへと座り込んだ。

