もちろん
あの後、あたしと泉が入学式に遅れたのは言うまでもなく。

二人して先生にこっぴどく叱られたのは、今でも鮮明に覚えている。



そして
これまた運命とでも言うのだろうか、偶然にもあたしたちはクラスも同じで。

あたしと泉が仲良くなるのに、そう時間は掛からなかった。



それと同時に
あたしの気持ちも、比例して大きくなっていって。


…だけど
現実は上手くいかないものだ。




あたしの恋は

散る事もなく、花開く事もなく


未だ
小さな小さな蕾のまま。




散る事も
花を咲かせる事も出来ない恋は

いつまで
あたしの心を痛めるのだろう。



それならば、せめて
この想いごと全部

枯れてしまえばいいのに。







――あれから季節は巡って。



泉に出会って
もうすぐ、三度目の春が来る。



そうしたら
あたしは、この学校を卒業するんだ。



泉への想いも

泉の優しい笑顔も


未練も涙も




全て、ここに残して―――。