桜-cherry rain-雨



あたしは一体、何がしたいんだろう。


本当、最低だ。


泉が
フラれると思ってた?

リナがフッてくれると思ってた?


鏡に映る自分の顔が
何よりもそれを物語ってる。


「……酷い顔、」


悲しみとも憎しみともとれない表情は、あたしの心の醜さを表してるようだった。



そう、あたしは
どこかで期待してたんだ。


泉がフラれる事を。

リナが、泉をフッてくれる事を。


そうしたら
少しでも、泉があたしを見てくれるんじゃないか、って。



「…そんな訳、ないじゃん。」


だって
あたしが泉を見て来たその間

泉はずっと、リナだけを想っていたんだもん。


そう簡単に、想いは消えない。


そんなの、あたし自身が一番知ってるでしょ?



「………っ、」



あたしが、一番
その苦しさを知ってるはずじゃない―――。