桜-cherry rain-雨



…嘘つき。


『桜の友達とはヤラないし、遊んだりしないよ。』

『何と!いいよってさーっ!』


嘘つき、嘘つき!



流れ出る涙が
あたしの傷跡をなぞる。

深みにハマっていく痛みは、もう泣くだけじゃ耐えきれなかった。




…泉、言ったよね?



『きっと運命だな!』

『……運命?』

『そう!俺が好きな桜の下で、桜って名前の君に出会った。』



初めて会ったあの日。



あたしたちの出会いを

“運命”だって。



「…そう、言ったじゃん…っ!」



どうして?


どうして、あたしじゃないの?

どうして、あたしじゃダメなの?




あたしは、泉が好きなんだよ?




ねぇ、どうして―――。