そう、泉にリナを紹介したのは紛れもなく、このあたしで。
だけど
あれは不可抗力だったのだ。
たまたま用事があって
学校まであたしに会いに来たリナ。
その時
たまたま通り掛かった泉に
『幼なじみのリナ。』
何気なく、紹介してしまって。
気が付いた時には
もう、既に遅かった。
『桜、リナちゃん紹介してよ!』
その時に
泉はリナに一目惚れ。
…もちろん、ショックだった。
悲しかったし
リナを恨めしく思った事だってある。
でも、リナは誰かを本気で好きになったりしない。
遊ぶだけ遊んで
その時が楽しければそれでいい、そんな子だ。
それに
『桜の友達とはヤラないし、遊んだりしないよ。』
面倒なだけだもん、リナはそう言っていた。
だからあたしは
泉の恋を応援するフリをして
リナの本性を言わなかった。
泉はリナを好きで
あたしは泉が好きで。
一方通行でも
泉がリナを好きでいる限り
あたしは泉と繋がりを持っていられるんだ。
なんて愚かな片思い。
…最低なのは、リナじゃなく
多分、このあたしだ。

