「萌って、おもしろいね。」


「なにが?」


さっぱわからない。


「だってさ。見た目からして、ブリッコが似合う顔じゃん。名前だって、そうだし。現実は、毒吐きまくりで冷めてるなんて。」


ため息をつきながらいう友達に呆れる。


「別にいいじゃん。ブリッコしてもいいけどさ。自分自身が吐きそうになる。」


「でも、ブリッコのがモテるよ。」


念を押すように進める。


「モテんでいいから。」


私は、そんなんでモテるより、理解ある男がいい。


「つまんな〜い」


「つまんなくていい。」


私は、こいつの遊び道具じゃない。


「ちょっとでもさぁ。」


マジ、しつこい。


「あんた、しつこいよ。どうしたの?」


「昨日、彼氏にフられた。」


なに?


この展開。


「理由は?」


「『もっとかわいげあると思ってた』って言われた。」


だから、テンション高いようでおかしかったのか。


「私に試せって事?」


そう聞くと、怖ず怖ずと頷かれた。


「仕方ないなぁ。明日、一日だけね。試したら、変われるんでしょ?」


私は、実験してあげることにした。


まあ、いつも目立たないようにしてるから。


うまく行く気がする。


それに、ターゲットは男子のみ。


私の毒吐きを知らないだろうから。


そんなこと言ったら、ちょっと元気になったみたい。


よかった。


私は、この後女子に説明しておいた。


毒吐きキャラを知ってるから楽だった。