「彼氏なのに....」


ひどくないか?


俺は、萌を押し倒すのをやめた。


「紀一?」


「萌、帰ってくんない?」


なんか、頼りにしてないって言われたようで。


萌に優しくできる余裕なんかない。


「どうかした?」


わかってないよ。


萌って、鈍感じゃないはずだよな?


俺と萌の共通のダチは、そんな風に言ってたし。


俺が萌に振られないように講習を受けたぐらいだ。


だから、萌の事を少しは熟知してるはずなんだけど。


「なんか、萌が悩んでんのに役に立たないってさ。」


「あぁー。勘違いしないで。違うから。」


あっさり、否定したよ。


「じゃあ、なんで?」


「やっぱ、紀一に聞くのが早いのかな?」


「はっ?なにが?」


意味わかんねぇ。