あたしは二学期から父方の家から新しい小学校に通った。
転校生というだけでみんなが寄ってくる。
何か目新しいものを見つけたように近付いて来て、あたしはしばらくの間質問攻めにあう。
名古屋のこと、方便の違いのこと、前の学校のこと、お父さんやお母さんのこと。
『桃子ちゃんは何でお父さんとお母さんと一緒に住んでないと?』
『お母さんが病気だからあたしはおばあちゃんちに預けられてるんだ』
『ふーん』
幾度となく繰り返されたその会話…その度にあたしは空を見上げ、お母さんを想った。
お母さんにはまめに手紙を書いたりたまに電話で話したりした。
『桃子が頑張ってるからお母さんだんだん良くなってきてるよ!』
そう言われる度に嬉しくてたまらなかった。
お母さんとまた一緒に暮らす為に頑張らなきゃってそう思った。
その頃からかもしれない。
あたしが悲しいことや辛いことがあると空を見上げるようになったのは。
空が笑えばあたしも笑える。
青空が広がるその世界に、あたしはお母さんを見ていたのかもしれない。
『お母さん、あたし頑張ってるよ』
転校生というだけでみんなが寄ってくる。
何か目新しいものを見つけたように近付いて来て、あたしはしばらくの間質問攻めにあう。
名古屋のこと、方便の違いのこと、前の学校のこと、お父さんやお母さんのこと。
『桃子ちゃんは何でお父さんとお母さんと一緒に住んでないと?』
『お母さんが病気だからあたしはおばあちゃんちに預けられてるんだ』
『ふーん』
幾度となく繰り返されたその会話…その度にあたしは空を見上げ、お母さんを想った。
お母さんにはまめに手紙を書いたりたまに電話で話したりした。
『桃子が頑張ってるからお母さんだんだん良くなってきてるよ!』
そう言われる度に嬉しくてたまらなかった。
お母さんとまた一緒に暮らす為に頑張らなきゃってそう思った。
その頃からかもしれない。
あたしが悲しいことや辛いことがあると空を見上げるようになったのは。
空が笑えばあたしも笑える。
青空が広がるその世界に、あたしはお母さんを見ていたのかもしれない。
『お母さん、あたし頑張ってるよ』