別に…って
すごい言いたげな顔してるんですけど。
なに、急に不機嫌っぽくなっちゃって
いつも核心をついてくる恭だけど、こういうよくわからないとこが子どもっぽい
あたしはハァっと一息ついて恭を見た。
「明けましておめでとう。まだ言ってなかったよね」
そう言うと、恭は驚いた顔をした。
そして、ハハッと笑いながらおめでとう、と呟いた。
「下行こうよ。おせち食べるでしょ?」
「んー、もらう」
聞かなくても食べていくって知ってるけど
恭とは昔からそんな付き合いだから、お母さんもすぐに用意してくれるだろう。
「よし、行くよっ」
よいしょっと同時に立った瞬間
部屋のドアがガチャッと開いた。


