「もしかしたら蜜葉の誤解ってこともあるんじゃない?」


「泰輔は浮気なんて出来るような器用な奴じゃねえよ」




確かに、あたし一方的に怒って出て行っちゃったよね。



それに、恭の言うとおり泰ちゃんは浮気なんてするような人じゃない。



それはわかってる

わかってるんだけど。







「よしっ、蜜葉!今すぐ家に帰りなさいっ」



閃いたように手を叩いてそう言ったのは日和だった。




「へっ!?」


「ちゃんと聞かなきゃ、どうしようもないでしょう?泰輔さんがどう思ってるのか、しっかり聞いてきなさい!ほら早く行った!」



そう言ってあたしに鞄を持たせ、背中をドンッと押された。




背中から感じるのは

日和からの“逃げるな”ってメッセージ。



日和はいつもこうやってあたしの背中を押してくれる。





あたし、怖くて逃げてたんだ。





泰ちゃんと

向き合おう、ちゃんと。