その日の夜



お風呂から上がったあたしは、良い気分で自分の部屋に入った。






………あれ?



机の上に置いてるのは、あたしのじゃない携帯。



「もー。泰ちゃんこんな所に忘れていってる」


泰ちゃんらしいシンプルな黒い携帯。



濡れた髪をタオルで拭きながらそれを手に取った。







そこまではよかったんだ。










――ブーブー…


「ぎゃっ!!」



突然バイブで震えた携帯に驚いたあたしは、思わず携帯を開いてしまった。


着信 真弓


「わっ!電話……え?」




着信……





マユミ?