晴奈が、まさき叔母さんに連れて行かれた後
部屋には泰ちゃんの堪える笑い声だけが響いていた。
「……くっ…くく…」
泰ちゃん、堪えるならちゃんと堪えてほしいです。
そして、笑うなら大声で笑ってくれたほうがまだマシです。
もう、だんだん恥ずかしくなってきた。
なんであんなコトしたんだ、あたしのバカ!
「泰ちゃん…」
「ご、ごめ…。大丈夫だよ。ハゲてないから…」
あたしの頭に手のひらを乗せ、頬を赤くして笑う泰ちゃん。
タレ目が細くなって、眉が少し垂れるこの顔があたしは大好きなんだ、けど…
なんていうか、
2人きりなのに良いムードも欠片もない。


