銀の月夜に願う想い



それでも愛した娘の願いを叶えてあげたかった。

それは。



『神失格だな……』


大勢よりも一人を優先するだなんて。そんなこと、してはいけなかったのに。


細い樹の幹に座るメレイシアの髪の毛がさらりと揺れた。

冷たい風を巻き込んだ髪の毛が顔に当たる。そしてーーー冷たさごと彼女の体がすべてぬくもりに包まれた。



『美しい女神様はこんなに冷たくなって何をしているのかな』


それ事態が温かさを帯びた声。

メレイシアの唇が微かに震えた。


『何故、私たちは神なのだ?』

『人間が決めたからだ』

『世界を創造したのは私たちなのに』

『君が言ったんだよ、「世界の決まりなど決めるのは面倒だ、任せてしまえって」』

『それでも……自分の子供に裏切られたようになる』



いつから人は闇を嫌うようになった?

光るものが美しいなどとだれが決めた?



私とロアルが適応しないなどと、どうして思ったのだろう?




そんな思考さえなければみんな分け隔てなく仲良く暮らせる世界になっていたのに。

人間の思考が黒を、闇を悪だと認識した瞬間から、メレイシアは世界の敵になってしまった。


そしてそれをロアルたち他の神は黙って見ているしか出来なかった。