銀の月夜に願う想い

今更なんだよって顔。話しかけてんじゃねぇよって顔。

迷惑そうな顔をしているルゼルに、胸がぎゅっと締め付けられた。
でもぎこちない微笑みを浮かべる。



「元気そうで良かった……」

「へぇ?元気そうに見えんだ?じゃあ元気なのかもね」


ウザったそうな顔をしているルゼルに、私は何も言わない。


見てれば分かる。顔色なんて全然良くないし、目は充血してるし、前会った時からまた痩せてるし。
全然元気そうじゃない。


「……私のせい、よね……?」


私が離れたから。
私は知っていたはずだもの。
彼は私がいないと寝れないことを。


「私がいないと……寝れない?」

「……自信過剰なんじゃない?」



寝れてないくせに、そうやって強がるからホッとした。

「そう……じゃあ私がいなくても大丈夫ね」


その言葉を聞いた瞬間、ルゼルの顔がしかめられた。

「……何考えてんだ?」

「……さぁ?」


微笑みを返してそのまま部屋を去ろうとした瞬間、手を握られた。
その手をチラリと見る。


「……なに?」

「結局何が言いたいわけ?」


何を、と言われると何とも言えない。ただ彼が私がいなくても大丈夫か確認しにきただけ。



答えられない私に、ルゼルの綺麗な顔が近付く。それに少しどころじゃなくすごい動揺した。



「もしかして期待してたんじゃない?僕がもう一回好きだって言ってくれるんだって……」

「ちょっ……ンッ」


いきなり唇を奪われたかと思った瞬間、唇を抉じ開けて入ってきた舌にビックリして逃げそうになった。
それをルゼルは腰に手を回して逃げられないようにする。



「もう一回奪って欲しいんじゃない……?」

「……っ!!」